精油の化学 2

<精油の化学 2>

以下に精油の成分を表記しますがそれをどれだけ含有しているか、どの成分とどの成分を持っているかで
使い分けていくことができます。

中には皮膚刺激の強い成分、神経毒性のある成分、光毒性を持つものもあります。

精油は何種類かブレンドして楽しむこともできますが数学のように1+1=2のようなきっちりした答えが出るものではなく相乗効果もあり、奥深いものがあります。

1つの植物の持つ成分は微量成分も含め80~300種ほどあると言われています。
そのすべての成分が解明されているわけではありません。

植物の持つ成分の力。
たとえばサルチル酸メチルなんて湿布薬の匂いです。
本来、湿布薬が元々あったわけではなくその力のある成分を持った植物が利用されてきたわけですが
効率よくその成分だけを抽出したりまたその成分を化学的に合成で作る技術もあり、それが医薬品に使われていたりするわけです。
しかし、植物にはその他にもたくさんの成分が含まれています。
(このあたりはまた別記事にします)

柑橘系が持つ成分のベルガプテンは光毒性があります。日光に当たるとシミや痒みの原因になります。
特にベルガモットの多く含まれています。
精油会社の中にはベルガプテンだけを取り除いてベルガプテンフリーとして世に出ているものもあります。
私が愛用するヤングリヴィング社ではベルガモットはベルガプテンはそのまま入っています。
ただし、ブレンドの精油「JOY」の中にはフロクマリンフリーのベルガモットが使用されています。

ヤングリヴィング社のものは熱で成分が変質しないよう、成分が損なわれないように低温低圧の水蒸気蒸留法で時間をかけてじっくりと蒸留されています。もちろんすべての成分そのままです。

精油を愛する創始者が1エーカーの土地から栽培を始め今では世界にいくつも自社農場と自社工場、ラボを持ち、土壌から種、蒸留、検査、製品になるまでどの工程も誇れるものです。
語り出すと長くなりますのでこのへんで。

植物というのは、毒性のある成分も持っていることがありますが同じ植物の中にはその毒性を和らげる作用を持つ成分も持ち合わせていたりします。クエンチング効果と言いますが。
例えばシトラールの刺激をリモネンが和らげてくれます。
自然界はうまくできていると思います。

植物の命の凝縮である精油。植物の精。“気”が凝縮されたもの。エネルギーのかたまりです。
何百種もの成分の調和によってできた精油は人体の自然なバランス(恒常性)を崩さないで作用します。

人体にある成分が不足していた場合は精油のその成分が働きます。
すでに体内に精油のその成分の働きがじゅうぶんあった場合や精油のその成分の働きが強すぎた場合は、別の成分がその働きを阻止するか体内から排泄されます。
セラピーグレードの精油は調和の中で作用します。

【精油の組織成分をグループ分けしたもの】
◆アルコール類
◆炭化水素類
◆フェノール類
◆ケトン類
◆アルデヒド類
◆ラクトン類
◆エステル類
◆オキサイド類
◆フェノールメチルエーテル類、など

一つづつ特徴を見ていくと

アルコール類・・・・・
<モノテルペンアルコール>
モノテルペンとは前回の記事でも書いたようにC(炭素)5つのC5H8(イソプレン)が×2で、C10の結合になっているもの。  ×3で、C15ならセスキテルペン  ×4で、C20ならジテルペン。

作用  抗菌作用、抗ウイルス作用抗真菌作用、強壮刺激作用など
成分  リナロール、ゲラニオール、メントール、シトロネロールなど
精油  ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム、ローズ、ペパーミント、ネロリ、クラリセージなど

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<セスキテルペンアルコール>

作用 : 強壮刺激作用、うっ滞除去作用など
成分 :サンタロール、パチュリアルコールなど
精油 :サンダルウッド、パチュリなど

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<ジテルペンアルコール>

作用 : ホルモン用作用など
成分 : スクラレオールなど
精油 : クラリセージなど

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炭化水素類・・・

<モノテルペン炭化水素>

作用 : 抗菌作用、抗ウイルス作用、うっ滞除去作用など
成分 : ピネン、リモネンなど
精油 : ジュニパー、サイプレス、レモン、オレンジなど

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<セスキテルペン炭化水素>

作用 : 抗アレルギー作用など
成分 : カマズレンなど
精油 : ジャーマンカモミールなど

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フェノール類

作用 : 抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫刺激作用
成分 : チモール、カルバクロール、オイゲノール、メチルカビコールなど
精油 : タイム、クローブ、フェンネル、バジルなど

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ケトン類

作用 : 粘液溶解作用、脂肪分解作用、強肝作用、胆汁分泌促進作用など
成分 : イソメントン、メントン、ヌートカン、カンファー、ツヨン、フェンコンなど
精油 : ゼラニウム、グレープフルーツ、ローズマリー、セージ、ペパーミントなど

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アルデヒド類

作用 : 抗炎症作用、血圧降下作用など
成分 : シトラール、シトロネラールなど
精油 : レモン、オレンジ、メリッサ、レモングラス、など

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ラクトン類

作用 : 粘膜溶解作用、去痰作用、抗凝血作用など
成分 : アンゲリシン、ベルガプテンなど
精油 : アンジェリカ、ベルガモットなど

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エステル類

作用 : 鎮静作用、鎮痙作用、抗炎症作用、鎮痛作用、神経強壮作用など
成分 : 酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、サルチル酸メチルなど
精油 : ベルガモット、クラリセージ、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、ウインターグリーンなど

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オキサイド類

作用 : 去痰作用、鎮咳作用など
成分 : 1.8-シネオールなど
精油 : ペパーミント、ローズマリー、ユーカリラディアータ、ティートリーなど

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フェノールメチルエーテル類

作用 : 鎮痙、鎮痛、抗炎症、抗菌、抗ウイルス作用など
成分 : パラクレゾールメチルアルコールなど
精油 : イランイランなど